
エンゲージメント
取り組み
ナブテスコでは、組織パフォーマンスの持続的な向上に向けて、個人の能力開発と組織風土改革の取り組みを両輪で進めており、従業員エンゲージメントの向上施策に力を入れています。当社では、大切にする価値観や中長期的に目指すべき方向性を全社で共有するため、ナブテスコ ウェイや長期ビジョンの発信・浸透活動を推進しています。また、従業員に対して定期的に実施するエンゲージメントサーベイ等の結果を踏まえ、組織・個人に関する課題を抽出し、従業員エンゲージメント向上施策を企画・立案・実行するとともに、上司部下間の信頼関係を構築し、個人の自己成長を促すコミュニケーション施策として1on1を全社で実施しています。これらのトップダウンとボトムアップの取り組みを組み合わせることにより、個人ひいては組織全体の成長につなげています。
ナブテスコ ウェイの改定・浸透活動
ナブテスコグループは、2003年の設立以来、「独創的なモーションコントロール技術で、移動・生活空間に安全・安心・快適を提供」することを企業理念とし、その実現を目指してきました。2012年に行動指針を明文化した「ナブテスコ ウェイ」を策定、グループ内での浸透を図り、その実践に取り組んできました。2023年には、さまざまな環境変化を反映し、各国グループの多様な人財が理解・共感し、さらに意欲的に行動していくことを目指して「ナブテスコ ウェイ」を改定しました。
2024年には、ナブテスコ ウェイ浸透活動を「ウェイ活」としてリニューアルし、「ウェイを知る」をテーマに、ナブテスコ ウェイの理解につながるさまざまな取り組みをグローバルに展開しました。ナブテスコ ウェイの重要性を伝えるCEOによるメッセージ動画や、ナブテスコ ウェイの解説書であるナブテスコ ウェイブックは、9言語に翻訳し、全グループ社員に提供するなど、「ウェイを知る」に役立つ様々な取り組みへの参加を呼びかけました。特に国内管理職と海外グループ会社への日本人出向者向けには、ナブテスコ ウェイを組織づくりに活かしてもらうため、ナブテスコ ウェイワークショップを実施し、364名が参加しました。その結果、2024年の「ウェイ活」への参加率は、当社連結グループ社員の72.3%(4,763名)となりました。
この活動を組織的に支えるのがナブテスコ ウェイ推進リーダーです。各拠点・会社ナブテスコ ウェイ推進リーダーが「ウェイ活」が組織全体に行き渡るように支援を行うと同時に、さらになる浸透の深化を目指し、事務局とともに活動内容の振り返りや企画検討も行っています。これまで国内で推進リーダー体制を構築してきましたが、今後は海外への拡大を計画しています。
当社グループでは、「ウェイ活」へのグループ社員の参加率をKPIとして、継続して取り組みを進めてまいります。また、これからもナブテスコ ウェイ浸透を通じて、多くのグループ社員がナブテスコ ウェイを実践し、多くの職場でナブテスコ ウェイを体現する組織風土が根付いている状態を実現することで、企業理念を実現し、ナブテスコグループの企業価値向上に貢献してまいります。

ナブテスコ ウェイ浸透活動にスタートにあたっての、CEOメッセージ動画

ナブテスコ ウェイブック
エンゲージメント測定
当社は、魅力ある企業・働きやすい職場を実現するために、定期的に組織診断を実施しています。組織診断の結果から、各職場のコミュニケーションを中心とした課題を抽出し、組織力強化に向けた諸施策へと繋げています。
(単位:%)
2017年度 | 2020年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度目標 | |
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エンゲージメントスコア | 69.3% | 69.9% | 69.2% | 69.2% | 70.8% | 78.6% |
内 男性社員 | 69.5% | 70.5% | 69.3% | 69.3% | 70.7% | - |
内 女性社員 | 69.2% | 69.4% | 69.1% | 68.6% | 71.5% | - |
カバーした社員の割合 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% | - |
回答した社員の割合 | 97% | 99% | 97% | 98% | 95% | - |
- 単体社員にアンケートを実施。
- 2021年度までは2~3年ごとに組織診断を実施しておりましたが、2022年度より毎年の実施に切り替えています。
- 2022年度の結果に一部訂正しています。
- 「上司と部下との関わり」、「組織の状態」を7段階(1:全く当てはまらない、2:当てはまらない、3:やや当てはまらない、4:どちらともいえない、5:やや当てはまる、6:当てはまる、7:非常に当てはまる)で調査した結果を評価(4以上を満足と定義)。
上述の組織診断に加えて、組織に対する貢献意欲や仕事に対する主体性を測定するエンゲージメントサーベイを毎月実施し、組織ごとの状態および推移をモニタリングしています。組織診断およびエンゲージメントサーベイの結果は、組織単位の結果に纏めて、随時、経営層へ報告されています。また、これらの結果を踏まえて、組織と個人の両面から課題を抽出し、組織力強化・従業員エンゲージメント向上に向けた施策を全社・組織単位でそれぞれ実行しています 。
エンゲージメント向上施策
2025年より、エンゲージメント向上への取り組み成果と処遇の連動を図る仕組みとして、各事業の業績評価基準にエンゲージメント関連指標を導入しました。現場レベルでの、“個々人のActionの種に気づきを与える”ことを意識した管理職の能動的な関与を促進し、組織全体としてのイノベーション推進の加速を目指します。
【1on1】
当社では、上司と部下の1対1の対話の機会として、月に1回、30分間の1on1ミーティング制度を導入しています。1on1は、“業務”ではなく“個人”に焦点を当てた対話を行い、価値観の共有と協働関係の強化を図るとともに、部下主体の対話を通して気づきや成長を促し、目標達成や自己実現に向けた主体的な行動を促進しています。また、上司側に対しても、部下に気づきを与える対話の在り方など、コーチングやメンタリングスキルの基礎を習得するための「1on1上司向け研修」を実施し、効果的な1on1実施に向けた支援を行っております。
【エンゲージメントプログラム】
各組織がエンゲージメント課題に向き合い、トライ&エラーを繰り返しながら自律的に改善アクションを実践できるよう、活動に関心のある部門を公募し、当該部門に約半年をかけて伴走する「エンゲージメントプログラム」を開始しました。参加部門からは、少しずつ対話や行動の変化を感じているといったポジティブな反応も寄せられました。本プログラムは小集団による草の根的な取り組みですが、活動を通じて得られた変化や気づきを好事例として社内に共有し、他職場にも活動イメージを広げることで、全社的なエンゲージメント向上に取り組む風土の醸成と活動の自走・定着を目指していきます。
社員へのインセンティブ
当社グループでは、全社員を対象に、社会、環境負荷低減(特に気候変動対策)、および会社に対し顕著な貢献をした社員を表彰する「ナブテスコ賞」、「企業市民活動賞」、「知的財産報奨」等の表彰制度を設けています。表彰を通じて業務の革新と創造に取り組む気風を醸成し、社員のチャレンジへの意識高揚を図ることを目的としています。表彰対象者は貢献度に応じて賞金が支給されます。
2024年度は合計延べ860が表彰され、賞金総額は約2,785万円でした。