ダイバーシティへの取り組み
考え方・方針
DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)
ナブテスコ では、2021年に「人財の多様性の確保についての考え方」を制定し、DE&Iの推進に取り組んでいます。
人財の多様性の確保についての考え方
社会および企業の持続可能性を高めるためには絶え間ないイノベーションが不可欠です。グローバル競争の激化やIT技術の進展など変化の激しいVUCA時代においてイノベーションを生み出すには、様々な価値観を受容し融合させる必要があります。
年齢、性別、国籍、雇用形態などの属性に捉われず、女性の活躍促進、DX人財・グローバル人財の育成、シニア人財の経験活用など、多様な人財を積極的に活用しています。これらの取り組みを通じて、それぞれの違いを認識した上で、持てる能力を最大限発揮できるよう、やりがいのある仕事を創出し職場環境を整備するとともに、マネジメント層の教育に努めます。
2030長期ビジョンで掲げる「Innovation in Action」を実現すべく、多様な社員が笑顔でワクワクする仕事にチャレンジできるような人財施策を実行していきます。
取り組み
外国籍社員の積極採用
当社グループは、世界で20の国と地域・74の拠点でビジネスを展開し、約8,200人の社員が働くグローバル企業です。全社員のうち、約3,200人(ナブテスコグループ社員の約39%)の多様なバッググラウンドを持つ外国籍社員が働いており、海外グループ会社においては人財の現地化を進めています。海外事業に必要な様々な経験・文化や価値観を持った人財の確保に努め、グローバル経営体制の構築に取り組んでまいります。
- 集計範囲はナブテスコ連結。当社人事データに基づいて掲載。
特に、外国籍人財には、日本人とは異なる発想や仕事への積極的な姿勢が期待でき、日常職場生活で他の社員の意識改革につながると考えられます。当社は、日本語によるコミュニケーションを前提として、高度な専門性やスキルを持った優秀な人財に加え、主体的に考え周囲を巻き込んで仕事が達成できる人財においても、積極的な採用に取り組んでいます。
2023年新卒採用より「新卒総合職採用者数に占める外国籍採用比率」20%を目標に掲げて採用活動をし、2030年に「管理職数に占める外国籍比率」2%とする目標を定めました。引き続き外国籍人財を積極的に採用し、外国籍社員のキャリアアップ支援にも取り組んでいきます。
外国籍人財の内訳
2023年 | |
---|---|
中国 | 41 |
韓国 | 13 |
ベトナム | 2 |
チェコ | 1 |
ブラジル | 1 |
マレーシア | 1 |
モンゴル | 1 |
ヨルダン | 1 |
合計 | 61 |
- 2023年12月31日現在。
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
- 香港出身の社員等は中国籍としてカウントしています。
新卒総合職採用者数と外国籍人財の占める割合
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
総合職採用合計数(人) | 40 | 29 | 32 | 23 | 26 | 33 |
外国籍人財数(人) | 4 | 3 | 0 | 1 | 5 | 5 |
外国籍人財採用比率(%) | 10.0 | 10.3 | 0.0 | 4.3 | 20.8 | 15.2 |
管理職数(人) | 349 | 356 | 362 | 367 | 321 | 337 |
外国籍管理職数(人) | 6 | 7 | 6 | 6 | 4 | 3 |
外国籍管理職比率(%) | 1.4 | 1.7 | 2.0 | 1.7 | 1.6 | 0.9 |
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
- 2020年度の外国籍人財は、新型コロナウイルス影響により来日できず、2021年度に入社したため、2021年度にカウントします。
女性の採用・登用
当社は、2023年度新卒採用より「新卒総合職採用者数に占める女性採用比率」30%とする目標を設定し、積極的な採用活動を展開します。特に、当社がターゲットとする機械、電気電子、情報系を専攻する理系の女子学生は大学等における在籍者数の割合が低く、BtoBかつ機械メーカーである当社にとって、認知度向上と他社との差別化、および学生の希望するキャリアと合致した働き方を丁寧に伝えることが重要です。
今後は、就活生のみならず早期から理系女子を意識したイベントや社員交流会などを実施し、年間を通して当社の認知度を向上させていくとともに、働きやすさや地域性を重視しながら、コンスタントな採用につながるよう取り組んでまいります。
女性の登用に関しては、2023年度、全社員に占める女性の割合は10.2%(連結:16.7%)、収益創出関連部署の女性管理職比率は1.1%(連結:2.5%)、STEM(科学、技術、工学、数学)関連職種の職種に占める女性の割合は4.7%(連結:7.5%)です。また、全管理職に占める女性の割合は3.0%(連結:7.3%)となり、そのうち部長職(理事職を含む)相当は1.1%(連結:6.1%)、課長職相当は3.7%(連結:8.0%)です。執行役員に占める女性の割合は連結で2.6%です。
新卒総合職採用者数と女性採用比率
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
男女賃金の差異
2023年度の男女賃金差異は下表の通りです。
(単位:%)
区分 | 男女賃金差異 (男性の賃金に対する女性の賃金の割合) |
|||||
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年収 | うち月例賃金 | うち賞与 | ||||
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全ての労働者 | 80.6 | 84.4 | 82.7 | 82.7 | 75.0 | 89.5 |
正規労働者 | 82.7 | 86.1 | 84.6 | 84.4 | 77.9 | 91.1 |
非正規労働者 | 70.5 | 70.6 | 82.5 | 79.0 | 37.9 | 42.6 |
- 対象期間:2023年度(2023年1月1日~2023年12月31日)
- 正規労働者:管理職、正社員
- 非正規労働者:定年再雇用者を含むパート・有期雇用労働者
- 年収:基本給、時間外勤務手当等の諸手当、賞与を含み、退職手当、通勤手当は除く なお、海外勤務者は日本勤務した場合の、非正規労働者のうち非常勤者はフルタイム勤務した場合の理論賃金で計算しています
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載
男女賃金差異を要因別に分析した結果、実在者に占める上位役職者の割合が男女間で異なるため、役職位に応じた基本報酬等の差異が男女間賃金差異の主な原因となっていることが判明しました。各職場において、性別によらず次のステージを見据えた適正なテーマ付与が行われるよう、上述のパイプラインの強化に加え、上司に対する「評価者研修」を開催し、役職位に基づく適正なテーマ付与・目標設定の徹底を進めています。
女性活躍推進法に基づく行動計画
女性活躍推進の観点からは、とりわけキャリア構築と働き方において、性別によらず、それぞれが能力を最大限に発揮し活躍できる機会の提供や、仕事と家庭生活の両立を支援する施策の促進が必要と認識しています。したがって、女性活躍推進法(2016年4月1日施行)に基づき、新たに2023年4月からの4か年に渡る行動計画を策定しましたので、達成に向けて取り組んでまいります。
女性活躍推進法における当社の一般事業主行動計画
目標1 | 計画期間終了までに、管理職における女性の比率を4.1%とする。 取り組み:女性従業員向け研修、管理職向けダイバーシティ研修、キャリア停滞防止施策など |
---|---|
目標2 | 計画期間終了までに、配偶者が出産をした男性労働者の育休取得率※1100% 3週間以上※2の育児休業取得率60%とする。 取り組み:休職に係る不安解消を目的とした施策、育休取得を推奨する環境の醸成 |
- (1) 育休取得率は、育児を目的とした休暇制度を利用した者の数を含めて計算します
- (2) “3週間以上”の設定は、配偶者の出産に伴う特別休暇5日間を含め、合計4週間の育児休業・休暇を取得することを前提とした設定としています
キャリア採用
当社は、「新規採用に占める中途採用比率」30%を目標に、他社で培った高い専門性や多様な経験を重視したキャリア(中途)採用を積極的に実施しています。コロナ禍後、急激な社会環境の変化により、転職市場が活発化するなか、特にIT技術者や電気電子技術者の採用は難易度が上がっており、リファーラル採用、カムバック採用、フリーランス採用等、色々な採用手法を用いながら今後もキャリア採用を進めてまいります。また、管理職に占める中途採用者の割合においても概ね、中途採用比率に連動し30%を維持する予定です。
中途採用者数および管理職者数に占める中途採用の割合
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
新規採用者数(人) | 106 | 110 | 82 | 106 | 142 |
中途採用者数(人) | 36 | 38 | 29 | 50 | 61 |
中途採用比率(%) | 34 | 35 | 35 | 47 | 43 |
管理職数(人) | 356 | 362 | 367 | 314 | 337 |
中途管理職数(人) | 124 | 125 | 128 | 100 | 107 |
中途管理職比率(%) | 35 | 35 | 35 | 32 | 32 |
高齢者雇用
当社の継続雇用制度は高度な専門性保有者を処遇する仕組みなどを備え、ベテラン社員が活躍できる環境となっています。
改正年金法の影響を受け、再雇用率は概ね70%以上を維持しています。
ベテラン社員は習熟した技能を後進に伝承し、また、各事業所では暗黙知を形式知化する活動を行っています。これらの活動は現在のナブテスコの技術力を支える財産となっています。
定年再雇用率の推移
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
障がい者雇用
当社グループは障がい者の雇用維持に努めています。例年、法定雇用率を上回っており、2023年度は2.74%でした。
2026年7月1日に法定雇用率が従来の2.5%から2.7%へ引き上げられることを見越して、今後も法定雇用率の遵守とともに、障がい者雇用のさらなる増加に努めてまいります。
また、2015年7月設立した子会社ナブテスコリンク(株)は、2016年10月に「障害者の雇用の促進等に関する法律」に定められた「特例子会社」として厚生労働大臣の認定を取得しました。
同社は、設立以降、地域との連携により障がい者雇用を推進するとともに、社員が生きがいを持って働ける環境整備にも尽力してきました。2017年度には地元の岐阜県から「障がい者の雇用モデル支援事業」の対象事業者として選定されています。
ナブテスコリンク(株) 集合写真
障がい者雇用率
- 2016年度以降は、特例子会社グループ適用会社の総計・通年度値。
ワークライフバランス
当社では、社員一人ひとりが心身ともに健康を維持し、仕事の質を高め、やりがいや充実感を持ちながら仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域社会といった私生活においても、各々のライフスタイルに沿って充実した日々を送ることが、新たな価値観や発想を育み、組織の活性化・生産性向上につながるものと考え、ワークライフバランス実現に向けた様々な制度を導入しています。
2016年には、労使の専門委員会を立ち上げ、生産性向上・多様な働き方の実現・適正な労働時間管理のテーマを中心に、ワークライフバランスに寄与する施策の検討・実行を行っています。
テレワーク推進への取り組み
当社では、「在宅勤務制度」、「サテライトオフィス勤務制度」や「モバイル勤務制度」を新たに導入し、社員が時間と場所を柔軟に選べるよう環境を整えています。
また、フレックスタイム制度を導入していますが、近年では、柔軟な働き方を実現するため、コアタイムの短縮を行っています。
今後も、世の中の潮流や社内ニーズを踏まえ、引き続き制度の普及と利用状況に応じた見直しや選択肢の拡充を図ります。
適正な労働時間管理への取り組み
モバイル端末の普及や新たな働き方の登場に伴い、ますます複雑化する労働時間管理への対応が求められるなか、当社は、社内のルール・意識統一を図る目的で、2017年に「労働時間管理ハンドブック」を作成しました。
また、2019年、2022年には「労働時間管理ハンドブック」の内容を抜粋した「労働時間の適正管理e-learning」を全役員・管理職を対象に実施しました。現在は、ITツールを活用したチェック機能を一部導入しています。
客観的な記録に基づいた労働時間管理の徹底、ならびに過度な長時間労働の抑制に向けた仕組み構築を制度・ツールの両面から進めており、海外の事業所では、現地の法令を遵守し労働時間を適切に管理しています。
年次有給休暇促進への取り組み
有給休暇取得促進の観点では、労働組合と協調し、法令(36協定)順守を基本とし、年次有給休暇80%以上取得という具体的な数値目標を掲げており、7~8月、10~11月を「計画休暇取得月間」と定め、対象期間中に6日取得の努力義務を課すとともに、労使委員会での取得状況の定期的なモニタリング・フォローを進めております。
引き続き、取得率向上に向けた取り組みを労使で推進してまいります。
年次有給休暇取得率
仕事と育児・介護の両立支援
当社は育児・介護を理由とした離職を防止するために、仕事と育児・介護の両立をサポートする各種制度や支援の拡充を進めています。
育児の観点では、授乳・搾乳のための施設の設置、「子育て支援ハンドブック」の発行、育休取得支援等を目的とした「子育て支援相談窓口」の設置、全社員への育休Eラーニングの実施等を通して、安心して仕事と育児が両立できる環境づくりに努めています。
介護の観点では、「介護支援ハンドブック」の発行、2年間に何度も分割できる休職制度、柔軟な働き方や転勤配慮等を通して、柔軟に仕事と介護を両立できる制度を整備しています。
出産・育児支援
出産・育児に関する休職・休暇
出産・育児に関する働き方
- ※1 育児に伴う転勤配慮:就業場所の変更を伴う転勤を行う際は、社員の育児状況に配慮する
- ※2 在宅勤務制度:(小学校6年生までは)配偶者父母の住居での勤務/5~22時の範囲内での分割勤務が可能
出産・育児に関する支援
- ベビーシッター育児支援:1日1家庭につきベビーシッター利用割引券を発行
- 配偶者の海外勤務に伴う休職制度:最長3年取得可能
介護支援
介護に関する休職・休暇
- 介護休職:対象家族一人につき最大2年。但し、期間内に介護休業日数が93日に満たない場合、2年の期間を超えて取得可能。
- 介護休暇:介護のために取得可能な特別休暇。1年度10日まで。(積立休暇は必要日数取得可能)
介護に関する働き方
- 勤務時間短縮:1日2時間以内の短縮可能
- フレックス勤務
- 介護に伴う転勤配慮:就業場所の変更を伴う転勤を行う際は、社員の介護状況に配慮する
介護に関する支援
- 共済会による援助融資
その他支援
- 1.総合福利厚生サービス(WELBOX)
- 2.ナブテスコ通信教育制度
- 3.資格取得援助制度
- 4.事業所英会話/中国語会話教室
- 5.クラブ活動援助
社員の定着
当社は毎年離職理由別のデータを作成し、社員の労務管理や各種施策につなげています。
右のグラフは定年退職者等を含むナブテスコ全体の男女別退職率と自己都合退職率を表しています。自己都合退職率は過去1~2%台で推移しており、ナブテスコでの働き易さを示す結果となっています。
なお、2023年度、会社都合による大規模な解雇や早期退職募集はありません。
自己都合退職率
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
- 2020年度に自己都合退職率定義の見直しを実施しました。
- ・自己都合退職とは、死亡退職、懲戒退職、その他、会社都合退職以外の事由による離職者と定義しています。
- ・上記の数字は過年度分も修正しています。
- 2022年度より、集計対象に正社員に加え執行役員、再雇用者、嘱託、受出向者を追加しました。そのため、総退職率は前年度比で大幅に変動しています。なお、過年度分の修正はしていません。
退職者数の内訳(2023年度)(単位:人)
① 退職者数 |
①のうち 定年退職者数 |
①のうち 会社都合退職者数 |
①のうち 自己都合退職者数 |
|
---|---|---|---|---|
管理職 | 18 | 11 | 0 | 7 |
一般職 | 92 | 39 | 0 | 53 |
合計 | 110 | 50 | 0 | 60 |
- 理事以上の役員、再雇用後の依願退職は除く。集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
正社員の内訳(2023年12月31日現在)(単位:人)
① 正社員数 |
①のうち 管理職数 |
② 採用者数 |
①のうち 新卒採用数 |
|
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男性 | 2,199 | 327 | 116 | 68 |
女性 | 249 | 10 | 26 | 13 |
合計 | 2,448 | 337 | 142 | 81 |
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与(2023年12月31日現在)
平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年収(千円) |
---|---|---|
43.0 | 17.1 | 7,321 |
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。