
ダイバーシティへの取り組み
考え方・方針
DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)
ナブテスコ では、2021年に「人財の多様性の確保についての考え方」を制定し、DE&Iの推進に取り組んでいます。
人財の多様性の確保についての考え方
社会および企業の持続可能性を高めるためには絶え間ないイノベーションが不可欠です。グローバル競争の激化やIT技術の進展など変化の激しいVUCA時代においてイノベーションを生み出すには、様々な価値観を受容し融合させる必要があります。
年齢、性別、国籍、雇用形態などの属性に捉われず、女性の活躍促進、DX人財・グローバル人財の育成、シニア人財の経験活用など、多様な人財を積極的に活用しています。これらの取り組みを通じて、それぞれの違いを認識した上で、持てる能力を最大限発揮できるよう、やりがいのある仕事を創出し職場環境を整備するとともに、マネジメント層の教育に努めます。
2030長期ビジョンで掲げる「Innovation in Action」を実現すべく、多様な社員が笑顔でワクワクする仕事にチャレンジできるような人財施策を実行していきます。
パフォーマンスデータ
主なダイバーシティ指標一覧
指標 | 単体(%) | 連結(%) | |
---|---|---|---|
外国籍人財充足率 | 外国籍従業員比率 | 2.5% | 38.7% |
外国籍管理職比率 | 0.6% | 35.6% | |
新卒総合職採用者数に占める外国籍採用比率 | 19.0% | - | |
女性人財充足率 | 女性従業員比率 | 10.6% | 16.3% |
女性管理職比率 | 3.0% | 8.0% | |
新卒総合職採用者数に占める女性採用比率 | 19.0% | - | |
デジタル人財/DX人財充足率 | DXプランナー認定比率 | 10.0% | - |
詳細はESGデータ集の社会データよりご参照ください。
取り組み
外国籍社員の積極採用
当社グループは、世界で20の国と地域・74の拠点でビジネスを展開し、約8,200人の社員が働くグローバル企業です。全社員のうち、約3,200人(ナブテスコグループ社員の約39%)の多様なバッググラウンドを持つ外国籍社員が働いており、海外グループ会社においては人財の現地化を進めています。海外事業に必要な様々な経験・文化や価値観を持った人財の確保に努め、グローバル経営体制の構築に取り組んでまいります。
- 集計範囲はナブテスコ連結。当社人事データに基づいて掲載。
特に、外国籍人財には、日本人とは異なる発想や仕事への積極的な姿勢が期待でき、日常職場生活で他の社員の意識改革につながると考えられます。当社は、日本語によるコミュニケーションを前提として、高度な専門性やスキルを持った優秀な人財に加え、主体的に考え周囲を巻き込んで仕事が達成できる人財においても、積極的な採用に取り組んでいます。
2023年新卒採用より「新卒総合職採用者数に占める外国籍採用比率」20%を目標に掲げて採用活動をし、2030年に「管理職数に占める外国籍比率」2%とする目標を定めました。引き続き外国籍人財を積極的に採用し、外国籍社員のキャリアアップ支援にも取り組んでいきます。
外国籍人財の内訳
2024年 | |
---|---|
中国 | 41 |
韓国 | 14 |
ブラジル | 2 |
ベトナム | 2 |
チェコ | 1 |
フィリピン | 1 |
モンゴル | 1 |
ヨルダン | 1 |
合計 | 63 |
- 2024年12月31日現在。
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
- 香港・台湾出身の社員等は中国籍としてカウントしています。
新卒総合職採用者数と外国籍人財の占める割合
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
総合職採用合計数(人) | 29 | 32 | 23 | 26 | 33 | 42 |
外国籍人財数(人) | 3 | 0 | 1 | 5 | 5 | 8 |
外国籍人財採用比率(%) | 10.3 | 0.0 | 4.3 | 20.8 | 15.2 | 19.0 |
管理職数(人) | 356 | 362 | 367 | 321 | 337 | 328 |
外国籍管理職数(人) | 7 | 6 | 6 | 4 | 3 | 2 |
外国籍管理職比率(%) | 1.7 | 2.0 | 1.7 | 1.6 | 0.9 | 0.6 |
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
- 2020年度の外国籍人財は、新型コロナウイルス影響により来日できず、2021年度に入社したため、2021年度にカウントします。
女性の活躍推進
当社は、2023年度新卒採用より「新卒総合職採用者数に占める女性採用比率」30%とする目標を設定し、積極的な採用活動を展開します。特に、当社がターゲットとする機械、電気電子、情報系を専攻する理系の女子学生は大学等における在籍者数の割合が低く、BtoBかつ機械メーカーである当社にとって、認知度向上と他社との差別化、および学生の希望するキャリアと合致した働き方を丁寧に伝えることが重要です。
今後は、就活生のみならず早期から理系女子を意識したイベントや社員交流会などを実施し、年間を通して当社の認知度を向上させていくとともに、働きやすさや地域性を重視しながら、コンスタントな採用につながるよう取り組んでまいります。
新卒総合職採用者数と女性採用比率
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
女性活躍推進に関する指標
指標 | 単体(%) | 連結(%) |
---|---|---|
全社員に占める女性の割合 | 10.6% | 16.3% |
全管理職に占める女性の割合 | 3.0% | 8.0% |
内 部長職(理事職を含む)相当 | 0.0% | 8.3% |
内 課長職相当 | 4.0% | 7.8% |
全執行役員に占める女性の割合 | 6.7% | 4.1% |
収益創出関連部署の女性管理職比率 | 2.3% | 3.1% |
STEM(科学、技術、工学、数学)関連職種の職種に占める女性の割合 | 4.6% | 8.9% |
男女賃金の差異
2024年度の男女賃金差異は下表の通りです。
(単位:%)
区分 | 年収 | うち月例賃金 | うち賞与 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全労働者 | 81.8 | 86.3 | 84.0 | 85.3 | 76.3 | 89.0 |
正規雇用労働者 | 83.2 | 87.3 | 84.9 | 86.2 | 78.4 | 90.9 |
非正規雇用労働者 | 78.9 | 85.0 | 90.6 | 95.0 | 50.6 | 56.1 |
- 対象期間:2024年度(2024年1月1日~2024年12月31日)
- 正規労働者:管理職、正社員
- 非正規労働者:定年再雇用者を含むパート・有期雇用労働者
- 年収:基本給、時間外勤務手当等の諸手当、賞与を含み、退職手当、通勤手当は除く なお、海外勤務者は日本勤務した場合の、非正規労働者のうち非常勤者はフルタイム勤務した場合の理論賃金で計算しています
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載
男女賃金差異を要因別に分析した結果、基本報酬に明確な差があることが判明しました。この差の主な要因は、男女の上位役職者比率の違いであり、女性管理職およびその候補者の確保ならびに育成が当社の課題と認識しています。
当社では、2024年に管理職、2025年に一般職に対し、役割基準の新たな人事制度を導入しました。この制度は、性別・年齢・勤続年数等に関わらず、役割と処遇を連動させることで、社員一人一人のチャレンジや貢献を促す制度です。
また、すべての管理職ポジションにジョブディスクリプションを策定し、必要なスキルや経験を明らかにすることで、社員が自らのキャリアパスを描きやすくなり、男女問わず希望する役職を目指して自律的に挑戦できる環境を整備しました。今後は、公正な評価制度を軸に人事制度の運用・定着に向けた取り組みを徹底し、各自の役割に応じたテーマ設定と目標達成を支援します。
また、女性管理職やその候補者の育成・輩出に向けた取り組みをさらに進めてまいります。
女性活躍推進法に基づく行動計画
女性活躍推進の観点からは、とりわけキャリア構築と働き方において、性別によらず、それぞれが能力を最大限に発揮し活躍できる機会の提供や、仕事と家庭生活の両立を支援する施策の促進が必要と認識しています。したがって、女性活躍推進法(2016年4月1日施行)に基づき、新たに2023年4月からの4か年に渡る行動計画を策定しましたので、達成に向けて取り組んでまいります。
女性活躍推進法における当社の一般事業主行動計画
目標1 | 計画期間終了までに、管理職における女性の比率を4.1%とする。 取り組み:女性従業員向け研修、管理職向けダイバーシティ研修、キャリア停滞防止施策など |
---|---|
目標2 | 計画期間終了までに、配偶者が出産をした男性労働者の育休取得率※1100% 3週間以上※2の育児休業取得率60%とする。 取り組み:休職に係る不安解消を目的とした施策、育休取得を推奨する環境の醸成 |
- (1) 育休取得率は、育児を目的とした休暇制度を利用した者の数を含めて計算します
- (2) “3週間以上”の設定は、配偶者の出産に伴う特別休暇5日間を含め、合計4週間の育児休業・休暇を取得することを前提とした設定としています
仕事と育児・介護の両立支援
当社は育児・介護を理由とした離職を防止するために、仕事と育児・介護の両立をサポートする各種制度や支援の拡充を進めています。
育児の観点では、授乳・搾乳のための施設の設置、「子育て支援ハンドブック」の発行、育休取得支援等を目的とした「子育て支援相談窓口」の設置、全社員への育休Eラーニングの実施等を通して、安心して仕事と育児が両立できる環境づくりに努めています。
介護の観点では、「介護支援ハンドブック」の発行、介休取得支援等を目的とした「介護支援相談窓口」の設置、2年間に何度も分割できる休職制度、柔軟な働き方や転勤配慮等を通して、柔軟に仕事と介護を両立できる制度を整備しています。
出産・育児支援
出産・育児に関する休職・休暇

出産・育児に関する働き方

- ※1 育児に伴う転勤配慮:就業場所の変更を伴う転勤を行う際は、社員の育児状況に配慮する
- ※2 在宅勤務制度:(小学校6年生までは)配偶者父母の住居での勤務/5~22時の範囲内での分割勤務が可能
出産・育児に関する支援

- ベビーシッター育児支援:1日1家庭につきベビーシッター利用割引券を発行
- 配偶者の海外勤務に伴う休職制度:最長3年取得可能
介護支援
介護に関する休職・休暇
- 介護休職:対象家族一人につき最大2年。但し、期間内に介護休業日数が93日に満たない場合、2年の期間を超えて取得可能。
- 介護休暇:介護のために取得可能な特別休暇。1年度10日まで。(積立休暇は必要日数取得可能)
介護に関する働き方
- 勤務時間短縮:1日2時間以内の短縮可能
- フレックス勤務
- 介護に伴う転勤配慮:就業場所の変更を伴う転勤を行う際は、社員の介護状況に配慮する
介護に関する支援
- 共済会による援助融資
その他支援
- 1.総合福利厚生サービス(WELBOX)
- 2.ナブテスコ通信教育制度
- 3.資格取得援助制度
- 4.事業所英会話/中国語会話教室
- 5.クラブ活動援助
シニア人財の活躍推進
当社の継続雇用制度は高度な専門性保有者を処遇する仕組みなどを備え、ベテラン社員が活躍できる環境となっており、改正年金法の影響を受け、再雇用率は概ね80%以上を維持しています。
また、当社は2025年から段階的な定年延長を開始し、2033年にかけて定年を60歳から65歳に順次引き上げを行い、60歳到達以降も現役としての活躍機会を提供し、自律的かつ継続的な成長を促すとともに、生涯賃金の大幅な改善を行ってまいります。
これらにより、ベテラン社員の習熟した技能の後進への伝承を促進するとともに、暗黙知を形式知化する活動を継続的に行っていくことで、ナブテスコの技術力を支える財産を更に積み上げてまいります。
定年再雇用率の推移
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
障がい者の積極採用
当社グループは障がい者の雇用維持に努めています。例年、法定雇用率を上回っており、2024年度は2.84%でした。
2026年7月1日に法定雇用率が従来の2.5%から2.7%へ引き上げられることを見越して、今後も法定雇用率の遵守とともに、障がい者雇用のさらなる増加に努めてまいります。
また、2015年7月設立した子会社ナブテスコリンク(株)は、2016年10月に「障害者の雇用の促進等に関する法律」に定められた「特例子会社」として厚生労働大臣の認定を取得しました。
同社は、設立以降、地域との連携により障がい者雇用を推進するとともに、社員が生きがいを持って働ける環境整備にも尽力してきました。2017年度には地元の岐阜県から「障がい者の雇用モデル支援事業」の対象事業者として選定され、現在も引き続き、岐阜地域における障がい者雇用機会の創出に貢献しており、地域社会との共生にもつながっています。
現在では、興産事業や文書管理・電子化を担うアーカイブ事業へと領域を拡大し、より幅広い業務を展開しています。定型的な作業にとどまらず、当社の企業活動を支える多様な機能も担うことで、社員一人ひとりの活躍の場が広がっています。
その成果もあり、新入社員の受け入れを継続しており、設立当初からこれまでに16名の仲間が加わりました。いずれも離職することなく、それぞれの持ち場で活躍を続けています。

ナブテスコリンク(株) 集合写真
障がい者雇用率
- 2016年度以降は、特例子会社グループ適用会社の総計・通年度値。
キャリア人財の積極採用
当社は、「新規採用に占める中途採用比率」30%を目標に、他社で培った高い専門性や多様な経験を重視したキャリア(中途)採用を積極的に実施しています。コロナ禍後、急激な社会環境の変化により、転職市場が活発化するなか、特にIT技術者や電気電子技術者の採用は難易度が上がっており、リファーラル採用、カムバック採用、フリーランス採用等、色々な採用手法を用いながら今後もキャリア採用を進めてまいります。また、管理職に占める中途採用者の割合においても概ね、中途採用比率に連動し30%を維持する予定です。
中途採用者数および管理職者数に占める中途採用の割合
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|---|
新規採用者数(人) | 110 | 82 | 106 | 142 | 144 |
中途採用者数(人) | 38 | 29 | 50 | 61 | 46 |
中途採用比率(%) | 35 | 35 | 47 | 43 | 32 |
管理職数(人) | 362 | 367 | 314 | 337 | 328 |
中途管理職数(人) | 125 | 128 | 100 | 107 | 108 |
中途管理職比率(%) | 35 | 35 | 32 | 32 | 33 |
社員の定着
当社は毎年離職理由別のデータを作成し、社員の労務管理や各種施策につなげています。
右のグラフは定年退職者等を含むナブテスコ全体の男女別退職率と自己都合退職率を表しています。自己都合退職率は過去1~3%台で推移しており、ナブテスコでの働き易さを示す結果となっています。
なお、2024年度、会社都合による大規模な解雇や早期退職募集はありません。
自己都合退職率
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
- 2020年度に自己都合退職率定義の見直しを実施しました。
- ・自己都合退職とは、死亡退職、懲戒退職、その他、会社都合退職以外の事由による離職者と定義しています。
- ・上記の数字は過年度分も修正しています。
- 2022年度より、集計対象に正社員に加え執行役員、再雇用者、嘱託、受出向者を追加しました。そのため、男性の総退職率は前年度比で大幅に変動しています。なお、過年度分の修正はしていません。
退職者数の内訳(2024年度)(単位:人)
① 退職者数 |
①のうち 定年退職者数 |
①のうち 会社都合退職者数 |
①のうち 自己都合退職者数 |
|
---|---|---|---|---|
管理職 | 32 | 17 | 0 | 15 |
一般職 | 107 | 39 | 0 | 68 |
合計 | 139 | 56 | 0 | 83 |
- 理事以上の役員、再雇用後の依願退職は除く。集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
正社員の内訳(2024年12月31日現在)(単位:人)
① 正社員数 |
①のうち 管理職数 |
② 採用者数 |
①のうち 新卒採用数 |
|
---|---|---|---|---|
男性 | 2,222 | 318 | 121 | 82 |
女性 | 263 | 10 | 23 | 16 |
合計 | 2,485 | 328 | 144 | 98 |
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。
平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与(2024年12月31日現在)
平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均年収(千円) |
---|---|---|
42.9 | 17.0 | 7,153 |
- 集計範囲はナブテスコ単体。当社人事データに基づいて掲載。