人財育成

考え方・方針

最適な人財ポートフォリオの構築に向けた人財育成

長期ビジョンで掲げる「イノベーションリーダー」に向けて、最適なポートフォリオに必要な人財を量・質ともに充足する方策として、採用による外部人財の獲得に加えて、育成・リスキリングを通じた社内人財強化による内部調達も重視しており、教育・研修制度の改革を進めています。長期ビジョンの実現に向けて、人財ポートフォリオの重点強化項目を「DX」、「女性」、「グローバル」、「シニア」と設定し、関連する研修や教育機会の強化・充実を図っています。

取り組み

社員自らが主体的に学ぶ風土づくり

2024年には管理職、2025年には一般職に新人事制度を導入し、従来以上に前向きな挑戦や意欲的な成長を後押しする環境にシフトしてきました。

そうした状況下、すべての従業員が自身の職務や志向・適性を踏まえて自律的に学習できる教育体系を整備しています。
公募型研修やオンデマンド型の学習サービスを積極的に取り入れ、自らが課題とするスキルを選択形式で学習できるようメニューの充実を図るほか、年次別のキャリア教育や1on1等のコミュニケーション施策により自らが自身のキャリアのために学習する動機づけを図り、自律的な学びの風土を醸成しています。

近年では、社員が自身のニーズに合わせて最先端の知識・スキルを習得できるオンライン動画学習サービスを導入し、自律的な学習機会の拡充を行っています。

教育体系図(抜粋)(2026年7月現在)

図

2025年度人事部主催研修(2025年1月~12月)

(単位:受講者数(人)/研修対象者受講率(%))

新入社員研修 51/100 動画学習サービス 284/100
新任管理職研修 31/100 新任OJT研修 74/100
中途採用者研修 62/100 ネクストキャリア研修(50歳社員対象) 61/100
ビジネス研修 79/100 DXリテラシー教育プログラム 66/100
2年目レポート発表(本社採用者) 36/100 DXデータ分析研修 41/100
入社5年目キャリア研修(入社5年目社員対象) 36/100 DXビギナー研修 59/100
マネジメント・ベーシック・プログラム 25/100 セカンドライフセミナー 75/100
マネジメント・アドバンス・プログラム 10/100 1on1研修 61/100
J4役割等級変更説明会 26/100 エンゲージメントプログラム 14/100

年間研修受講実績(人事部主催・共催研修)

(単位:時間/年)

  2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
単体 延べ受講時間 55,212 37,906 65,170 67,068 57,278
一人あたり受講時間 23.8 15.9 26.6 27.0 26.2
連結 延べ受講時間 - - 111,005 134,101 156,650
一人あたり受講時間 - - 13.6 16.3 18.5

キャリア支援

従業員一人ひとりが自身のキャリアを主体的に考え、将来に向けて自律的に行動できるよう、キャリアについて考える機会の提供と、個々の状況に応じた対話・相談の両面からキャリア形成を支援しています。具体的には、入社5年目の社員、および50歳に到達した社員を対象にキャリア開発研修を実施するほか、2022年からは、全社を対象としたキャリア相談窓口を社内・社外に設置しています。

キャリア相談窓口では、新入社員からシニア層まで幅広い従業員を対象に、仕事におけるキャリア形成や今後の働き方とライフプラン、女性や外国籍社員特有の悩みなど、さまざまな相談を受け付けています。相談はキャリアコンサルタント有資格者が対応し、個々の従業員との対話を通じて、本人の考えを引き出しながら、キャリアにおける課題や今後の方向性を整理するとともに、必要に応じて助言やフィードバックを行っています。こうした対話を通じて、従業員が自身のキャリアについて考えを深め、今後の方向性を整理するとともに、次の行動に繋げられるよう支援しています。窓口を設置して以来、累計51件の相談案件に対応してきました。

また、キャリア採用者に対しては、入社時・入社3か月後・入社12か月後の節目でキャリアに関するアンケートを実施し、必要に応じて相談内容等を踏まえた職場へのフィードバックを行うなど、入社後のキャリア形成についても継続的に支援しています。

さらに、2018年には社内公募制度を、2023年には、同制度に社内・社外副業制度、社内留学制度を加えた「ジョブチャレンジ制度」を制定し、人財流動化施策を推進しています。社外副業制度は法的制約のもと、適用範囲を限定しながら運用をしていますが、社内では経験できない内容や、日常業務に繋がるスキル習得・研鑽を伴う内容など、ユニークな事例が出てきています。

「ジョブチャレンジ制度」の概要

制度 ジョブチャレンジ制度
社内公募 社内留学 社内副業 社外副業
概要 社員が社内求人情報に応募し、選考プロセスを経て、希望する部門へ異動できる制度。原則として、キャリア採用の求人ポジションと同一。 社員が社内求人情報に応募し、選考プロセスを経て、一時的に所属部門を離れ、希望する部門へ異動できる制度。留学期間満了後、所属部門へ留学で得たスキル・知見等を持ち帰ることが前提。 社員が社内求人情報に応募し、選考プロセスを経て、希望する部門の業務に所定内の一部労働時間を使って従事できる制度。 社員が所定労働時間外で、社外の業務に従事できる制度。雇用契約を伴わない個人事業主・業務委託契約での副業のみを認めている。

今後も、「ジョブチャレンジ制度」の運用・活性化を通じて、社員が自らチャレンジし、新たなスキルや知見を獲得し、活躍の幅を広げる機会を提供するとともに、組織活性化ひいてはイノベーション創出に繋がる人財流動化を促進します。

「ジョブチャレンジ制度」の目指す方向性

「ジョブチャレンジ制度」の目指す方向性

社内公募実績(単位:人)

  2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
募集件数 69 76 81 143
応募者 11 20 13 13
合格者 0 4 4 4

DX人財の育成

各事業においてイノベーションを実現する上で、DXによる新たなビジネスモデルの創出や、業務プロセス効率化を推進するDX人財の確保が急務となっています。
当社では、種々のDX研修により全社のITリテラシー底上げを図るとともに、オンデマンド学習機会の充実やDX関連部門への社内留学によるOJT教育を通じて、DX人財の早期育成を図っています。

DX人財の中でも、社内の各部門においてDX推進を実現できるスキル・マインドを兼ね備えた人財を「DXプランナー」として認定し、評価・登用に活用する取り組みもスタートしており、継続的なDX学習機会の提供を通じて、DXプランナーの拡充を図っていきます。2025年までに延べ931名がDX研修を受講し、うち128名がDXプランナーとして認定を受けています。

DX研修

当社は、アセスメントで各自のDXレベルを測定し、レベルに応じた体系的な教育を実施しています。

DX研修では、2025年より「DXビギナー研修」をオンボーディング教育に組み入れ、若手社員のうちからDXを活用して業務変革を推進するマインドの醸成を強化しています。加えて、「データ分析」や「生成AI」など、受講者の所属事業におけるDX活用テーマに沿った研修も実施し、実務におけるDX推進を支援しています。

女性管理職登用に向けた人財パイプラインの整備

当社では、多様な人財が最大限活躍できる組織の実現に向け、女性活躍の推進に取り組んでいます。

女性管理職の登用を進めるとともに、将来の女性管理職候補層を継続的に育成・輩出する「人財パイプライン」の構築を目指し、採用から育成、登用までを一体的に捉えた計画的な人財育成を推進しています。

採用においては、「新卒総合職採用者数に占める女性採用比率30%」を目標に掲げ、キャリア採用も含めて積極的な採用活動を展開しています。育成面では、女性従業員を対象としたキャリア研修を実施し、自分らしいキャリアを描けるよう支援するとともに、各階層を対象に実施する研修にダイバーシティやアンコンシャス・バイアスに関する理解を促進する要素を取り入れることで、女性従業員の挑戦を後押しする職場風土の醸成に取り組んでいます。

さらに、管理職を目指す女性従業員を対象に、先輩女性管理職を交えた意見交換を行う「女性活躍推進交流会」を開催し、参加者のキャリア形成に対する意識向上と社内ネットワーキングの促進を図る機会を提供しています。

また、各部門では女性管理職候補者ごとの育成計画を策定し、その進捗を定期的にフォローアップすることで、計画的な育成を推進しています。今後も、性別によらず、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を整備し、継続的な管理職登用の実現に資する「人財パイプライン」の形成に注力するとともに、事業成長を牽引する中核人財の育成を推進していきます。

グローバル人財の育成

当社の成長に欠かせないグローバルな事業展開をリードする人財を育成するために、幅広い階層に対応した教育体系を整備しています。キャリア早期から自身のキャリアに「グローバル」を位置づけ、成長意欲や挑戦への姿勢を持ってもらうため、特に若年~中堅層への教育を充実させています。

社内TOEICやオンライン英会話などの語学力向上支援に加え、海外NGOとの協働プログラムにより異文化対応力や主体性を培う若手社員向けの海外派遣研修や、実践的な海外業務体験により海外ビジネスシーンでの適応力を身につける中堅層向けの海外トレーニー研修を実施しています。

海外派遣研修

海外NGOとの協同プロジェクトに参加

海外NGOとの協同作業を通じて、グローバルな視点の獲得や異文化のなかでもミッションを達成できる・意思決定できる人財への育成を目指しています。また、新たな知見との融合によるイノベーションを体験することも狙いとしています。
研修では、フィリピンのNGOで実際に発生している課題に対し、当社社員がそれぞれプロジェクトメンバーとして関わり、多国籍チームで様々な手法で解決策を考え、実行または提案するという内容を実施しています。

異文化対応力を身につけるだけでなく、NGOを通じた社会貢献活動を通して、多国籍の仲間の中で自律的、主体的、能動的に行動する力をつけると同時に、世界、社会への広い視野も育てています。

受講生の声

フィリピン(セブ)にて4週間の海外派遣研修に参加しました。教育支援を行うNGO団体でインターンを行い、支援対象の学生が抱える課題の把握と課題解決を目指してワークショップを企画・実施しました。

私が研修で学んだ重要な点は、物事に取り組む際に自分の想いを持つ大切さです。今回のワークショップではアイデア、テーマ検討の際に学生たちが課題を自己解決できる手助けにしてもらうため、楽しみながら問題の原因追求と解決の説明がしやすい紙飛行機をテーマにしたいという想いがありました。相手、今回で言うと学生に対して、満足してもらえるような自分のアイデアが盛り込まれるとモチベーションが保てる上に、良いものを作りたいという貢献の気持ちが芽生え、プロジェクトでのやりがいにも繋がりました。

帰国後は、業務において既存のやり方に捉われず、自身のアイデアを盛り込むことで取引先及び自分自身も満足できるように業務に取り組みたいです。

シニア人財の活躍推進

人的資本の最適化に向けて、すべての社員が活躍し続ける組織を目指す上で、当社の年齢分布におけるボリューム層であるシニア人財(50歳以上の社員)に対し、年齢にかかわらず一人ひとりの活躍を最大限引き出す環境づくりに注力しています。

2021年より、シニア人財を対象に「ネクストキャリア研修」を実施し、知識・スキルの硬直化を防ぎ、豊富な経験を活かしつつ、新たな業務に取り組むためのリスキリングの啓蒙、機会提供を行っています。

また、定年退職を迎える社員に対し、公的年金制度や医療・介護・投資の注意点を学べる「セカンドライフセミナー」を実施しています。定年後の生活を見据えた準備のサポートを通じて、安心して現在の業務に取り組める職場づくりを志しています。

経営幹部候補人財の育成

当社グループでは、将来の幹部候補の育成、組織運営に必要なマネジメントスキルの強化、自己理解の深化を目的として、選抜型の経営人財育成研修(Management Advanced Program(MAP))を実施しています。本研修では、経営戦略を中心とした経営者視点でのリーダーシップを養うとともに、当社が目指すイノベーションの実現に向けて、テクノロジーやイノベーションに関する知識も体系的に習得します。これにより、新たなアイデアやビジネスモデルを創出し、組織の競争力向上に貢献できる人財の育成を目指しています。

また、同研修では、他社の管理職との交流を通じて、経験や知見を共有するとともに、新たな人的ネットワークを構築する機会にもなっています。2021年開始以降、累計62名が本研修を修了しています。

海外グループ企業の人財育成

当社グループでは、海外グループ企業の人財育成に積極的に取り組んでいます。現地人財を積極的に採用し、各地域で採用する社員の技能等の向上を目的に様々な教育を実践しています。中国では、各拠点の幹部候補者向けにビジネスマネジメント研修を実施し現地スタッフのマネジメント登用を促進しており、海外グループ企業では現地人財の中から社長を登用しています。この他、鉄道車両用機器事業、商用車用機器事業、自動ドア事業など幅広い事業において、日本国内の工場に海外グループ企業の人財を一定期間派遣し、OJT方式で技能向上を図る研修プログラムを実践しています。

ナブテスコ ウェイに基づく当社グループの企業文化を理解してもらうとともに、専門技術を学ぶ機会を提供することで、出身国の経済発展に寄与する人財育成を図っています。今後も、こうした取り組みを通じて、海外でのオペレーション基盤の強化を図るとともに、操業地域の経済・社会の発展に貢献してまいります。

自発的な学びの支援

当社では、従業員一人ひとりが自律的に学び、成長し続ける環境づくりを大切にしています。そのようななか、現在、共通の学習テーマをもつ仲間同士のコミュニティ活動が活発化しています。2024年度には、BIツールやデータ分析に関する学習・情報交換を目的とした従業員グループが発足しました。2025年12月末まで、約200名程度の従業員が参加し、会社主催の勉強会やツール体験会、有志による事例研究会などを通じて、実践的なスキルアップを図るとともに、従業員が切磋琢磨しています。