技術系人財育成
考え方・方針
“スマートモーションコントロール”実現に向けた技術系人財育成
ナブテスコの中期経営計画で掲げる“スマートモーションコントロール(SMC)”実現に向け、技術系人財には従来の考え方にとらわれない柔軟な発想で新たな価値・技術を創出する力が求められています。これは企業理念である“独創的なモーションコントロール技術で、移動・生活空間に安全・安心・快適を提供する”における“独創的なモーションコントロール技術”を実現するための手段でもあります。
製品・サービスの特性上、『安全』が最優先の価値観であることに変わりはありませんが、当社の高い「技術力」を更に高みへ昇華させ、ものづくりを含む高い「品質力」との相乗効果により、社会に『安全・安心・快適』という付加価値を提供できると考えています。
また、国内外企業とのグローバルな技術開発競争がより激しくなり、技術的な課題解決や用途開発による価値創造領域の拡大として、「イノベーション」を創出できる人財の育成が益々重要になっています。
社会に役立ち信頼される製品・サービスを提供するために、当社では「技術者に求める人財像」を以下のように考え、社員に高い専門性を持ったスキルと、自ら課題を発見し解決に導くための高い意識(マインド)を身につけてもらうため様々な研修・施策を実施することにより、技術系プロフェッショナル人財を育成しています。
- 固有専門技術については、高いレベルの得意分野があり、第一人者として業務において展開していること。
- 自分の専門分野だけでなく 他の分野の知識に加え、ものづくりに関する幅広い知識を保有していること。
- 課題解決に求められる行動様式(コスト・安全・納期意識や問題解決手法など)を身につけており具体的に行動出来ること。
- 技術スキルを具体的な業績に結びつける力(構想力、達成力、対人力など)を保有し それを活用して業務を推進出来ること。
ナブテスコの技術の系譜(統合報告書抜粋)

取り組み
求められる技術とスキルの可視化
高度な制御やシステム全体の挙動を把握するスマートモーションコントロール実現には、従来の機械製品を設計するメカ分野の知識・スキルだけでなく、電子部品の設計技術・スキル(下図Electrification)のほか、ソフトウェア開発やそれらを開発するプロセスの知識、更にはシステム全体を俯瞰して仕様を確定するシステムズエンジニアリングの技術・スキル(下図Integration)、データを分析し、製品の価値向上につなげる技術・スキル(下図Data Solution)が必要になります。これらの広範な知識・スキルに対して、個人が担う役割に応じて必要な知識・スキルを明確化し、自律的な能力開発を促進するとともに、組織としても事業戦略・開発戦略を踏まえた業務アサインや能力開発を通じて人財育成を進めていくことが重要です。また、必要な知識・スキルのすべてを個人に求めるのではなく、組織として保有すべき知識および“スキルの可視化”が重要となります。
SMCと各技術領域の関係

“スキルの可視化“には、組織・個人の”現状“を把握する意味合いと、組織・個人の”あるべき姿“を示す意味合いがあります。またそのギャップを浮き彫りにすることで、個人の成長とあるべき組織能力(ケイパビリティ)の充足に向けた意図的な業務アサインや能力開発等の諸施策を実行するための基盤となります。これらを満たすため、今後のスマートモーションコントロール製品開発に活用可能な全社共通のスキル体系を作成しています。
スキルの可視化と組織力強化サイクル

キャリアパスを意識した育成・教育計画
“スキルの可視化“で浮き彫りとなった“あるべき姿”と“現状”とのギャップを埋めるため、組織ニーズを基に設定した必要となる個別のスキルの習得を個人レベルへ落とし込む必要があります。その際、上司とも話し合いを重ねながら、個人個人が納得でき、長期視点での育成・教育計画を立てていきます。これにより、自己成長を実感し達成感を得ることに繋がり、持続的に成果が出せる組織の土台ともなります。
技術系人財育成
・メカ(Mechanics)領域
従来のナブテスコの強みである“メカ”領域においては、各カンパニーが事業領域に即した技術・スキルを自ら教育しているため、共通技術として高度なCAE解析技術(複合物理領域に渡るマルチドメイン解析や高精度で高速評価を実現するデジタルツイン)を開発・推進し、設計・開発プロセスの品質向上、効率化に貢献しています。構築した技術・ノウハウは研修を通してカンパニーへ展開しており、延べ100名を超えるエンジニアが自ら主体的に設計・開発に解析技術を活用できるスキルを習得しています。
・ハードウェア(Electrification)
従来の油空圧を中心としたアクチュエータから電動化への転換には、パワーエレクトロニクスやモーター設計技術の習得が不可欠です。
電動化に必要な要素技術の開発を推進するとともに、その成果である設計ドキュメント・シミュレーションモデルなどを設計の指針として活用することで、グループの電動化技術者に求められる共通基盤スキルの習得を促し、性能・信頼性・安全性を両立した設計判断ができるエンジニアを育成します。
・ソフトウェア(Integration)領域
全社で不足しているソフトウェアエンジニアや開発に対するリソース不足を解決するため、技術本部ではソフトウェア専門の部門を立上げ、ソフトウェア開発分野において人財の育成や先端技術の要素研究・開発を先導しております。各カンパニーからソフトウェア開発に従事するエンジニアを部門異動という形で集約し、効果的・効率的にソフトウェアエンジニアの育成を行っております。
・エンジニアリングDX関連
システム製品開発においては、各技術領域を幅広く見渡し、要求仕様をシステムレベルで把握しながら個別の技術領域に分解・展開するスキルが求められます。機能安全規格への対応や品質的な観点からも今後ニーズが拡大する技術・スキルとなっています。後工程での手戻りや不具合を未然に防止し、網羅的でありながら効率よく開発を進める必要があるため、ナブテスコではモデルベース開発(MBD)を基盤技術として位置づけ、高度なCAE解析やデジタルツインなどのシミュレーション技術、更にはAIを駆使しながらプロセスイノベーションを実現する技術をエンジニアリングDXとし、人財の育成を行っています。
・品質関連
【若手技術者を対象とする品質管理研修】
次世代を担う若手から中堅設計技術者を中心に、中長期的な人財育成の観点から高い品質感性を持った技術者の育成を目的とする企業内品質管理研修プログラムを、2007年から継続開催しています。
【製造物責任(PL)と製品安全(PS)に関する専門研修】
製品を購入されるお客さまだけでなく、製品を利用される皆さまの『安全・安心・快適』を実現していくため、製品を通した責任を設計・製造・営業・サービスに関わる社員一人ひとりが自覚し、行動することを目的とするグループ横断的な研修会を、2007年より継続開催しています。
・知的財産関連
【アイデア創造入門研修】
当社では、ナブテスコグループの持続的成長による企業価値向上を図るため、事業競争力の源泉である現在及び未来の「コア価値(知財・無形資産)」の競争優位を担保する知的財産経営戦略を推進しています。この知的財産経営戦略で最も重要な活動は、市場の動向や顧客のニーズを先取りしたコア価値を創造し、戦略的な知的財産権の獲得等を行うことです。
当社では、コア価値の創造力を加速するために、「TRIZ(発明発想手法)」を活用したアイデア創造入門研修を2010年から継続的に開催しています。この研修では、新製品・サービスや現製品・サービスに関する新たなアイデアを創出する手法を、具体的な事例をもとにしたワークショップ方式で体得していきます。この研修で修得した効率的な創造手法を活かし、新事業、新製品・サービス等を創出できるアイデア創造リーダーの育成に取り組んでいます。
技術系専門研修
上記で示したスキルの可視化によるギャップ分析、長期視点の教育計画、各部門における人財育成方針に対応出来るよう、技術本部では技術分野ごとに研修メニューを計画し、随時カンパニーへ展開しています。
技術領域と対応する研修メニュー(例)

研修の実施においては、既に社外にコンテンツが豊富な基礎的・汎用的なスキル領域に対しては社外活用を促しますが、社内事例を用いるものや開発技術を応用するものについてはノウハウ伝承の意味合いが強いため内部で実施(内製化)するなどメリハリをつけたメニューを展開しています。
研修の分類マップ
