1000分の1mmの世界
「この音が好きですね。懐かしい、ものづくりの音ですよね」。ミツ精機の工場内に入ると、町工場がたくさんある故郷を思い出し、片山は懐かしさを感じたという。その音の先に歩を進めると、銀色に輝く立方体の金属が一定の間隔でキレイに並べられていた。
「ここの金属の塊を加工して、『ALLUX2』の部品を作っているんです。中には100〜1000分の1mmの精度で加工している製品もあります。義足を利用されている皆さんは、本当にわずかな部品同士の接触も感じ取られます。だからこそ、部品の段階から高精度の物を作る必要があるんです」。工場を案内してくださった三津千久磨社長は、一つひとつの工程を説明しながら、その圧倒的に小さなスケール感についても話してくれた。