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> 森 弘樹
新規事業は未知の世界
2000年12月、津工場から1軸真空移載装置が初出荷されました。新規事業として取り組みはじめて3年あまり。ともかく、義務を果たせた安心感とうれしさで一杯でした。航空機器、油圧機器、精密機器、輸送用機器、産業用機器等もスタートは新規事業でした。新規事業の立ち上げと成長・拡大は、当社の歴史そのものです。その一端に携われたことは誇りであると同時に、今でも責任をひしひしと感じています。
私が新規事業探索に関わったのは、96〜97年頃のことでした。当社の強みである技術力を活かし、一つの事業として成長の可能性のある分野は何か。最終的に真空内でウエハーを運ぶ装置の開発に決定しました。開発テーマが決定したまではよかったのですが、専門家もいない、情報も少ないという未知の世界でした。
第一号機完成。見事に失敗
ともかく試作機を作ってみようということになり、第一号機に着手。しかし結果は見事に失敗。まずサイズが大きい。また振動によりウエハがずれる、高真空が保てないと、この機器としては致命的な欠陥がありました。
けれども、失敗はゼロに戻るわけではありません。試験のプロセスで蓄積された技術やデータが次のステップへつながります。また失敗からどれだけ学べるかが、成功の要となるのです。
ところで、この時点では、まだ具体的な仕事には全く結びついていませんでしたので、1号機は需要の多い2軸で想定していました。しかし、お客様から1軸での打診があり、開発目標は“1軸の製品化”と具体化されました。製品化が見えてきたのです。まさに名実ともに本格的な開発がスタートを切りました。
情報源はお客様からの知恵
大きな課題は振動の低減と高真空の確保。振動は、当社の製品開発でも取り組んでいたため、まだ解決の余地はありました。実際、さまざまな角度から検証した結果、歯車のかみ合いからの振動と判明しました。しかし、シールは情報源も少なく、まさに手探り状態でした。シールメーカーさんから教えてもらう、特許の調査、展示会へ足を運ぶとあらゆることを試みましたが、最も効果があったのはお客様からの知恵でした。お客様といかに絡むかが、高い顧客満足へつながります。結果的にシールはシールメーカーさんと新しい技術を用いての共同開発となりました。
最後の山場は量産に向けての出荷基準でした。当社には1軸真空内移載装置の仕様環境データがほとんどなかったため、さまざまな場面を想定し、自分たちで出荷基準を作成しました。幸い大きなクレームは今のところありません。 他社製品に比べ、コンパクトで、消費電力が小さいことが特長です。
飛行機に関わる仕事がしたいと思ってナブテスコを選んだのですが、配属は全く別のところで入社以来、飛行機には携わっていません。飛行機に未練がないわけではありませんが、プレッシャーはあるものの、今の仕事を楽しんでいます。きっかけは飛行機でもかまいませんが、ちょっと視野を広げてみると、なかなかおもしろい仕事が当社にはたくさんありますよ。
[ 有功賞一等 ]
当社にはその年のすぐれた開発・改善活動を対象に表彰を行っています。審査基準は売上・利益への貢献、キーとなる技術のレベルアップ、次世代製品の実用・量産化、顧客満足度向上への貢献などです。審査はなかなか厳しく、毎年1等がでるとは限りません。そのため2002年度の1等に我がプロジェクトチームが選ばれた時は、さすがにうれしかったです。